ブラ旅 その2 倉敷市立美術館(旧倉敷市庁舎)
2017年 05月 22日
GW期間中の訪問先、2か所目は倉敷市立美術館。竣工1960年。設計は故丹下健三氏。日本の伝統的な構造美(縄文式伝統の表現)をコンクリート構造による近代建築手法によって設計された建物で、吹抜けを中心としたコア(EVや階段室、設備スペース等)のあるプランが特徴となっている。
建物は建築当初、倉敷市庁舎として町の中心に広場と共に計画されました。その後、市が合併したことによる人口急増で20年後には別に市役所を作ることになり、市庁舎は池田遙邨の作品寄贈をきっかけに市民の要望で、美術館として1983年に用途変更し、生まれ変わりました。
屋上も当時は開放されていたようで、最上階は屋上演劇等ができるように舞台が設けられていまいた。今は残念ながら利用されてないようで、ベンチも撤去されていました。段々になっている部分に少し名残を見ることができました。ユニテダビタシオンやサボア邸といったコルビジェの屋上庭園を思わせます。屋上には楼閣建築で火縄銃の開口を思わせる、小さな穴がいくつもありました。その穴からは市内の住宅等を望むことができ、私の印象では、丹下氏の帝国大学入学前の映画等の勉強をしていた頃の思いを感じ取ることができる興味深いデザインとなっていました。
この建物が興味深いのはもともと市庁舎であった建物を市民がRe活用として、美術館としたことで、近くにある大原美術館や伝統地域、倉敷市立中央図書館、自然史博物館等の文化施設ゾーンを形成し、地域の魅力がさらに高まったエリアとなっていることです。また、美術館は1Fの展示スペースは市民の美術展の展示スペースとしても利用されていて、丹下氏の設計した際に語っていた「倉敷市の伝統と近代的発展にふさわしい、しかも市民のよりどころになるにふさわしい建物をと思って設計した」ということばにも、相応しいRE活用のされ方で、今現存している、他県の丹下建築のRe活用法として見習って頂きたいような参考例かと思い、私も今回の足を運んでみました。丹下建築の保存に関わりのある方には、是非、見学して頂きたい建物の1つだと思います・・・。 GWのブラ旅は以上です。
今週は沖縄にJIA全国大会(四国大会)の関係でPRに訪問予定。ブラ旅、沖縄編(H23年から毎年行われている40歳以下限定の公共建築コンペ’ティーダフラッグ’の施工事例取材予定)もその後ご報告予定してます。お楽しみに・・・・つづく。
\\\//アトリエ・バウ 1級建築士事務所 松山市 愛媛 四国 建築家 設計事務所 デザイン住宅 狭小住宅 長期優良住宅 低炭素住宅 リノベーション 特殊建築物 オープンデスク////\\\
毎週土日は住宅見学会・無料相談会開催しています。詳しくは下記までお問合せ下さい。
※問合せメール info@atelierbau.com TEL089-989-8661
.