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沖縄の建築を巡る旅 その2

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H23コンペ:浦添大公園南エントランス管理事務所(撮影中尾H29.5.28)
 >沖縄の建築を巡る旅 vol.2 「ティーダ・フラッグ」(40歳以下の公共建築コンペ)

 遅くなりましたが、旅の続きを少し書いてみました。先月の26日~29日に沖縄へ所属している団体(公社)日本建築家協会(JIA)の住宅会議で沖縄に出張してきました。その機会を活用し、日本建築家協会沖縄支部、建築士事務所協会、建築士会、設備設計協会、沖縄県がH23年から毎年、共同で続けている建築家の若手育成プログラム「ティーダ・フラッグ」(40歳以下の公共建築コンペ)の取材をしてきました。

縄県では、県内の若手建築士の育成及び建築技術の向上と発展を図ることを目的に、40才以下の若手建築士を対象とした設計競技をH23から毎年行っています。人口が多い世代(団塊の世代と呼ばれていますが、)で地域の職人や技術者が引退や第1線から身を引きつつあり、全国的に職人不足が深刻化しつつありますが、建築家も同じ現象に遭遇しています。全国的にも先駆け的な若手育成プログラムを継続的に行っている沖縄県の事例を今回の機会を活用し視察させて頂きました。(JIA沖縄支部では更に、県内で2つ目の建築系の学部を、琉球大学に引き続き、県立沖縄芸大に設置するように要請する活動も今年度から行うとのことで、人材確保に向けた地道な活動を設計関係の4団体がまとまって活動しています。)

今後、高齢化が更に進むと予測される中で、ほとんどの地域では何も対策がされていないようですが、若手育成プログラムは他の地域でも見習うべき内容であると思い、H23年度以降の(40歳以下の)公共コンペ物件の完成状況、利用状況を見学させて頂きました。

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                              正面エントランス

  1. 1回 浦添大公園南エントランス管理事務所(H23)

浦添大公園管理事務所は現在も遺跡調査が行われている浦添大公園の景観形成重点地区に位置し、歴史的なロケーションでの管理事務所新築のプロジェクトでした。応募要項を読んでみると、場所性や地域性、建物のデザイン+機能性が求められているように思いました。中でも最優秀作品は歴史的な意匠である赤瓦を採用しつつも設計はオリジナルな意図(歴史を様々な角度で多面的に見るという楽しさ)をメッセージとして屋根形状にデザインとして折り込んだセンスある設計。よくある、入札金額や法人の資本金をベースにした公共の建築設計の入札とは質が明らかに違う完成度の高い建築でした。

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また、実際に訪れて見ても、建築文化として地域への還元も地元の人々がシンボルとして誇りに思えるようなレベルの建築でした。選ばれた設計士は若干30代前半の女性の建築家でした。現在は琉球大学の助教授とのこと。惜しくも受賞の逃した参加者の方々も提案内容はそれぞれ興味深い内容でした。今後のご活躍が楽しみです。
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                                    監理事務所部分
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隣地山道より多面体の屋根形状を撮影


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2.名護市コンベンションセンター(H25)

・既存の展望台をコンベンションセンターとしてリノベーションしたプロジェクト。実際に訪れて感じることは、新築しているかと思えるような完成度+新たな機能を付加された充実した施設空間であること、でした。建築家のレベルの高さ、ティーダ・フラッグの価値を体感できる場所といえる案件であり、既存のインフラをRE活用した素晴らしい成果だと思います。こちらも女性建築家が最優秀賞となり、素晴らしい作品を地域のシンボルとして手掛けられています。

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   常設コンベンションセンター資料より
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1F店舗部分フロアー:眺望の良い喫茶コーナー 撮影:中尾 H29.5.29
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>沖縄建築を巡る旅を終えて~

  建築というハードは地域社会を豊かにするソフトと一緒につくりあげられるインフラだと私は思っています。愛媛や四国他の地域でも、若手がなかなか活躍する機会が少ない閉鎖的な側面が多いと日々実感していますが、それと同時に、新しい社会の可能性を若い視線で切り開く機会が地域では特に必要な時代かと日本各地他県を歩きながら実感しています。個人個人が思っていてもやはり限りがありますので、所属する団体や地域で建築コンペやイベント等を企画し、活動できたらと思っています。私も意外にそういった思いもあり、最近、地域の建築を保存したり活用法等を設計提案している(公社)日本建築家協会以下、JIA、四国支部(愛媛地域会)に入会しました。こちらも、先輩には失礼ですが、例外なく高齢化していますが、設計監理業を主に行っている設計事務所の皆さんの集まりになっています。現在、獣医学科でいろいろと愛媛も話題になっていますが、地道な活動で、四国で唯一、建築学科のない県、愛媛に住んでいる建築士として、愛媛の大学に建築学科を設置してもらえるように地道な活動(執筆活動も含め)を仕事の傍ら、していきたいと思っています。昨今の獣医学科も大切ですが、都市のインフラを研究する建築学科も人々の生命や地域文化・歴史を継承するうえで、また地域の木材活用等の林業や観光分野、co2削減の環境問題 等でも間違いなく欠かせない学科だと思います。建築学科の設置活動にご興味のある方は是非メール等頂けると嬉しいです。地道にできる範囲で活動していこうと思っている今日この頃です。


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by atelierbau | 2017-06-30 17:42 | | Comments(0)

設計事務所と作るオリジナルの家づくり


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