人気ブログランキング | 話題のタグを見る

学生の頃

 学生の頃、建築の仕事に就けるかどうかどうかまだはっきりしたきっかけや知り合いがいたわけではありませんでした。でも、できたら設計の仕事に就きたいな~と思っていました。
 学生の頃は、雑誌「新建築」のコンペの内容を確認し、学校以外で、自分でいくつかの募集にも作品(テーマ設定された課題の住宅(等)の提案)を行っていました。「カンディスキーの家」や「○▲の家」等、いろんなシチュエーションがありましたが、結果は見事にすべて落選していました。
 大学生活の最後の最後で、JIAの福岡支部の「学生デザインレビュー」(卒業設計等を建築家やアーチスト等の方々にコンペ方式で評価して頂くイベント)で最後のプレゼンまで上り詰め、藤森さんとアートディレクターの芹沢さん(P3)に2票入れていただき、隈健吾氏や今をときめく(当時からときめいていましたが)妹島和世氏に作品を評価していただいたりする機会(奇跡)が起こり、勘違いした僕は建築家への道へと進んできました。
 建築の道へ進む学生には、いろんなことを学生の間にしておくべきではないかと僕自身は思っています。なぜなら、能動的に自ら色々な判断や行動(動き)を自分でしないといけないからです。人からの指摘も鏡として受け入れ、反省し、フィードバックしながら自分の弱点を少しでも少なくしていく努力が必要だからです。
 行動力、体力、強い精神力、感、忍耐力、センス、人脈(社会性)、正確さ、勤勉さ、好奇心等、養う部分は多々あります。個人的にお薦めなのが、旅です。旅は自分の行動、身の安全、時間の管理、コミュニケーション能力、行動力等上記の多くの部分を短期的にですがトレーニングすることができます。それから、いろんな地域の建築や習慣、考え方の違いを旅を通して経験することができ、視野を広げることができます。(僕は今でも出会った何人かの外国の人たちと文通しています。)それは社会人になってからも、「どういうことに価値があるか」マクロな視点で自分の行動・コミットメントしている内容について意味があるのかというところで、建設的になると思います。理想的にいえば自分のゴール(目標)を学生の間にある程度見つけ、それに向けて行動していければいいと思います。そのためにある自分の仕事やポジション、ステップ(プロセス)が明確になるからです。
 例えるなら、漫画家になるためにはどうすればよいか?そのための準備、プロセスとしてはどこでどのように養えるか・・(where)、何を(What)、なぜ(Why)、いつ(When)、誰と(Who) (5Wの法則)を明確にし、一つ一つオリジナルな過程を取りながら目標に進んでいく、そんな道を歩んでいくしかないのではないでしょうか。

 学生の頃は選択肢が沢山あると思います。ひとつひとつ、小さな積み重ねが将来の自分の形を作っていくプロセスになると思うので、精一杯の活動(できたら旅がお薦めですが)を行い、社会に出てからも自分を見失わないような理想像を描くことがこれから大切になるのではないかと思います。私もまだ夢見ていますが、少しずつ自分を作っていきたいと思います。60過ぎても建築の仕事にかかわっていたいな~(そのころ建築設計の仕事があるかどうか分かりませんが)と思っています。少しだけ僕が自信を持って言えるのは、あきらめずに自分がしたいことを思い続けることです。僕は18歳から今の仕事に就きたいなと思い続けていました。毎日毎日いろんなことがありますが、遠くの方へ向って進む方向性は崩しませんでした。これからも方向性は死ぬまで変わらないでしょう。
 学生の頃はそういった意味では貴重なモラトリアム期間なのです。社会から少し距離をおいた、猶予期間、許されるポジションです。何か面白いこと、するべきだと思います。今厳しい時期だからこそ、そういった心意気で一日一日を過ごしていけば、自然に道は開けていくのではないかと思います。"Life is short"という言葉がありますが、できる間にしたいことをする。それを僕は学生の皆さんに送りたいと思っています。




 アトリエ・バウ 建築設計事務所 松山市 愛媛 四国 建築家 家づくり デザイナーズ住宅 オープンデスク 完成見学会のハガキ送ります
by atelierbau | 2011-02-02 20:03 | Comments(0)

設計事務所と作るオリジナルの家づくり


by atelierbau