
この住宅の特徴は母屋と離れがあり、もともとお子様ご家族のために離れを改修したそうなのですが、私達が訪れた際は、手狭になり、別の場所にご引越しした後でした。離れはもう一つあり、マスカットの栽培温室をアトリエにそちらはリノベーションしていました。

建物の配置は立体的な階段状の敷地の下の部分に母屋と増築部分が、アトリエは上の段の敷地に庭園の中にポツンと建っている配置関係となっていました。庭園には大きなゴールデンリトリバーが1匹、贅沢な状態で、主のように住んでいました。(笑)





立体的な階段状の敷地の上の部分にある、マスカットの緑が印象的なアトリエは、もともとのマスカット栽培の温室の建物を減築してリノベーションしたそうです。切断面の腰壁に野石積の腰壁を施し、軽いガラスの温室と石積みをうまく対比させたデザインとしていました。床はもともとは土でしたが、アトリエスペースを設けるにあたり、蓄熱体として白煉瓦が敷き詰められていました。昔からのマスカットの農業遺産を残しつつ、アトリエ空間として使いやすいように最低限の手を加えた、個性ある素敵なアトリエでした。もともと建物上部には手動で開く天窓があり、暑い空気を逃がす配慮がされていました。マスカットを収穫のため建物の高さはもともと低く抑えられていたので、小ぶりな建物ですが、アトリエとしては開放感のある気持ちの良い空間でした。母屋、離れ、アトリエと多様なスペースが庭の庭園と立体的に住まいとして構成されていて、改修により新旧がいい形で豊かな住まいとして成り立っていました・・・・つづく。
※時々、JIAの若手の皆さんと見ごたえのある建築(普段は見れない建物)を全国各地、見学ツアーしていますので、特に設計事務所の設計士の方でJIAにご興味のある方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声掛けください。(学生会員、ジュニア会員、正会員、賛助会員等)
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