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ウィリアム モリス 展

 日曜日にウィリアムモリス展(10/5~11/11)を見に行ってきた。会場は八幡浜市民図書館。
 愛媛にいながらウィリアムモリスの本物の作品を目にする機会はかなり貴重だと思う。彼はイギリスの思想家・装飾家(デザイナー)でイギリスの産業革命時に活躍した人物である。大量生産による低質なデザインの製品の流通に反対し、労働者の生活空間にも芸術を提供すべく、職人らにより構成された組合(商会)を組織し、質の高い製品・デザインを追及したことで有名である。(ARTS AND CRAFTS MOVEMENT)“アート・アンド・クラフト運動”と呼ばれ、イギリスのデザイン史において有名である。
 展示は1860年代~1900年代前半の作品が主だった。当時の彼らの運動や商会(組織)の人間関係、創作の方向性などが紹介されていて興味深かった。なんといっても書籍でしか見たことがなかった壁紙のパターンや椅子・照明などの本物が実際に見ることができたのがすばらしかった。
 彼らが活躍した当時は機械生産が勢いを増し、様々な生活用品が大量に供給されているという時代だった。貧しい生活者層にはそういった商品しか手が届かないという現実がそれにより生じ、その現象に対する反動だった。(しかし実際は職人による生産品であることでコストの面で製品は高いものになった。)実際全ての面でうまく言ったいたわけではないが思想は影響力があり、それはフランスではアールヌーボーというスタイル、ドイツではユーゲントシュールといわれる流れにもつながっている。
 僕たちが生きている今の社会はそれに加えIT(インターネット)社会でもっと混乱しているといっていいだろう。時代は違うけれども何か共感できる部分も僕は感じるのである。住宅市場で言えば“いい空間は建売住宅にはない”ということかもしれない。

             アトリエ・バウ 建築設計事務所 松山市 愛媛 四国 建築家
by atelierbau | 2007-10-23 00:20 | art | Comments(0)

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