棟上 |

棟上は建前とも言われている。構造が木造であれば、棟木と呼ばれる一番高い部分の構造材が組立てられた時をいい、コンクリート構造の場合は一番高い部分のコンクリートの打設工事が行われる時と指す。OT邸の場合、コンクリート構造なので後者だ。
前日に鉄筋の検査を完了し、後日(本日)工事が行われた。正月休みを挟んでこれから内装の工事に入っていく。棟上は工事の節目でもあり、クライアントが着工後に施工者に工事金額の一部を支払いをする一つの節目でもある。(完了後に残りの支払いを行う。)
昔は餅をまいたりもしていたが、一部の風習が残る地域を残し、今は地域社会との関係も変化しつつある。人と社会と建築はそれぞれの距離をもってそのあり方も違ってくる。
僕が最初に事務所に勤めていた沖縄県では棟上には日頃のお世話に施主が感謝の形として食事とお酒・ヒージャー(ヤギ汁)が工事関係者にふるまわれていた。昔はヤギ汁がタンパク源の源としてとても貴重な食べ物で、大工さん達に振舞われていた。今でも(味はともかく)感謝の意を示すための食べ物として用意されている。本土では餅をまく。所変われば習慣の違いも多い。
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